第35話バーでのちょっとした事件

「待て、あれは誰だ? 彼女じゃないか?」

近くのブースにいた男がヘンリーの声に惹かれて顔を出し、ダイアナと目を合わせた。

彼は隣にいる友人のスタンリー・オルティスの肩を何度も叩いた。「見ろよ、見ろって! あの女、チャールズの元妻に似てないか?」

「どこだ?」連れの男も興味をそそられたようで、顔を上げてバーの中を見渡した。

しかし、辺りを見回しても、誰の姿も見えなかった。

「セシル、誰もいないぞ。見間違いじゃないのか?」スタンリーはたまらず尋ねた。

「まさか! 俺の視力は完璧だ。あそこの斜め向かいのブース、青い照明の下だよ!」セシル・マーシャルは再びダイアナのいる方向を指差した。

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